国民ゲーム、社会的現象、アニパン for カカオ

! ダウンロード2000万件

!!一日アクティブユーザ1000万人

! !!同時接続数300万人

2012年9月時点で「アニパン」の1ヶ月間の売り上げ実績は100億ウォンに近いと言う。これは韓国モバイルゲーム史上最大規模の成果でもある。

韓国の内需市場でサービスされる単一タイトルとしては目を見張るような数字だ。もちろん、ゲームの特性から、客単価が相対的に低いと言う点は考慮しなければならない。実際アイラブコーヒーなど、カカオから提供される他のヒット作は、「アニパン」に比べればダウンロードや毎日のアクティブユーザ数では押されるが、それに近い売し上げを記録していると言う。(ジンガがシティビルで人気を集めていた当時の同時接続数が300万人、DAU800万、MAU3億ウォンレベルだった。ちなみに、2012年8月現在、日本のゲーム専門プラットフォームMobage(モバゲー)のMAUが383万人レベルで、GREE(グリー)のMAUが270万人レベルだと言う。単にアクティブユーザーだけで言うと、カカオゲームが各国を代表するゲームプラットフォームと比較できる時点が来たのだ。もちろんゲーム専用プラットフォームとカカオトークをまったく同じように比較することは難しい。MMORPGの同時接続数とモバイル・ソーシャルゲームの同時接続数を同じ基準で見るのは難しいのと同じ事だ。ソース:http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=6950)

「アニパン」のヒットは韓国のゲームスタートアップにも大変意味のあることだ。「アニパン」(forカカオ)以前も「ルール・ザ・スカイ」、「タイニーファーム」のように成功したモバイルソーシャルゲームはあったが、これらのゲームはCom2uS、ゲームビル、JCEと同じ中大型パブリッシャーと上場企業がの開発していた。海外では、ソーシャルゲームやスマートフォンゲームと言う新しい分野で会社を立ち上げたスタートアップが急成長していたことを考えると、いささか残念なことでもあった。プロジェクトとサービスの規模が大きくなるにつれ、ゲームスタートアップの市場参入がますます難しくなって行く状況で「アニパン」(SUNDAYTOZ)の成功事例が浮上しているのだ。

実際問題として、2012年上半期、韓国のベンチャーキャピタルやインキュベーターなどの金融投資業界では、モバイル・ソーシャルゲームスタートアップへの眼差しが意外に冷たくなっていた。成功的なイグジット(EXIT)でも100億ウォンから220億ウォンの間、海外進出は容易ではなく、売上高も増えなかった。

パブリッシングとサービスのノウハウが残らなければ会社が成長できない。だが、スタートアップが自らサービスを提供することは難しく、結果的に国内外のパブリッシャーに依存していたのだ。このような状況は、「アニパン」がサービスを開始してからわずか2週間で劇的に変化した。

その一方、業界内では「アニパン」についての否定的、あるいは批判的な意見も少なくなかった。おそらくこんな感じだろう。

1.(優秀なプロジェクトではなく)単に時期がよく、運が伴ったのではないか。

2. パズルゲームのルールが既存の有名パズルゲームとそっくりだ。

3. プラットフォームを活用して、迷惑メールを乱発した。

(実際、これはソーシャルゲームが成立するためには必須不可欠な要素でもある。ソーシャルプラットフォーム上でバイラルループを活用し、ユーザーを確保して、「知り合い」と言うソーシャルグラフを活用して再訪問を誘導する。短い期間内に幅広いユーザーを獲得することができ、そのためにゲームはカジュアル・ミニマルになる傾向がある。)

これらの指摘に対して、あえて反論をするよりは、SUNDAYTOZがどうして今のような成功を納めることができたのかを遠くから見守っていた立場から考察してみたい。

1. 創業者、イ・ジョンウン代表

SUNDAYTOZ(サンデートズ)のイ・ジョンウン代表はNHNに勤めていた頃、フラッシュゲームを1年毎に50作ずつ作ったことがあったと回顧する。軽量でシンプルなゲームを早く仕上げることについて自信を持てるようになったと言う。また、ゲームとユーザーを結び付けてくれるプラットフォーム無しでゲームを作成して、ゲームがユーザーの視野から消えていくことによって限界を感じたのではないだろうか。

イ・ジョンウン代表は個人のブログで2009年からソーシャルゲームに関連する投稿を始める。 NHNでの経験は、SUNDAYTOZの後の動きにも大きく影響を及ぼすことになる。カカオがNHN創業者キム·ボムス議長の主導で作られた会社だと言うのは言うまでもなく、現在「アニパン」の運営を担当しているYDオンラインのシン·サンチョル代表もNHNでの縁だ。(シン·サンチョル代表はイ・ジョンウン代表をはじめとするSUNDAYTOZ創業者と同じ明知大学校出身でもある。)エンジニア出身の創業者がおろそかにしやすい事業開発(BD)が自然に補完されたのだ。

SUNDAYTOZを創業し、本格的にソーシャルゲームサービスを開始し、イ・ジョンウン代表はソーシャルゲームエバンジェリスト(伝道師)を名乗り始める。韓国内では「ソーシャルゲーム」も、「エバンジェリスト」も聞き慣れない言葉だった。サイワールドなど韓国のソーシャルゲーム業界が胎動し始めた時期である。

2. SUNDAYTOZのプラットフォーム戦略を考える

驚くべき事に、「アニパン」はすでに数年前にヒットした旧作だ。SKコムズはネイトアプリストアを2009年10月ランチングした。同年11月、ネイトアプリストアで最も高い人気を誇っていたゲームは「「アニパン」と「ヤオンヤオン(ニャーニャー)」だった。(関連記事:SKコムズ、アプリストアの累積売上1億円突破 - アジア経済)

2010年2月の記事から:5つ開発元の11種のゲームのみが有料でサービスされている時点でSUNDAYTOZは最も高い売上を記録した。5つ開発元からサービスした11タイトルの売上をすべて合わせてがろうじで1億になっていた時期だ。SKコムズは多少遅くなったが、モバイルでもソーシャルゲームの提供を開始し、「アニパン」はモバイルでも最初のサービスタイトルになった。(関連記事:SKコムズ、モバイルでもソーシャルゲームを提供 - 韓国経済)

「アニパン」がネイトアプリストア(サイワールド)で確保したユーザは、クロスプロモーションを介して新作「アクアストーリー」につながる。ダウンロード基準に500万人レベルのユーザーにゲーム情報が伝わったのだ。(「アクアストーリーモバイル」を計算に入れると600万人)まだサイワールドアプリストアでは、Web版の「アニパン」をプレイすることができる。 (サイワールド「アニパン」見る)

SUNDAYTOZの最初のプロジェクトは、フェイスブック上でサービスされる「UCCゲーム」だったと言う。友達にゲームを作ってプレゼントする概念だが、今はどのようなサービスだったか、調べる事も難しいほど大失敗した。マイスペース、フェイスブックが試験的にゲームとアプリを一つずつアップロードして試していた時代であった。よく知られていない事実だが、イ・ジョンウン代表は当初me2day(Twitterと​​似ている韓国のマイクロブログサービス。NHNに買収された。)に「meテトリス」と言うゲームを作って配信したこともあった。ソーシャルプラットフォーム、そしてミニマルでカジュアルなゲーム。「アニパン」のDNAが感じられる部分である。 (meテトリスを表示)

イ・ジョンウン代表と私席で「フィーチャーフォンゲームの時代、Com2uSとゲームビルは、各移動通信社との関係を上手く維持した。それが重要な成功要因の一つではないだろうか?」と話したことがある。

フェイスブック、me2day、ネイトやサイワールドアプリストアと携帯電話、ネイバーソーシャルゲーム、そして最終的にカカオゲーム。

韓国でゲームプラットフォームの胎動が聞こえる度に、SUNDAYTOZはその最前線にいた。ネクソンの戦略が「我々はプラットフォームがあるところであればどこでも行く」だとすれば、SUNDAYTOZの戦略は、「我々は、プラットフォームの初期に飛び込んでプラットフォームと共に成長する」とまとめることができそうだ。この戦略は、成功した。

3. 指標、データ分析のための持続的な関心

イ・ジョンウン代表はサイワールドアプリストアが低迷期を迎えていた当時、ゲームのログを調べている途中ユーザーの興味がウェブからモバイルへ移っていく傾向を確信した、と言うインタビューをしたことがある。SUNDAYTOZはエンジニアの3人が創業した会社で、その理由で実際ゲームの企画やデザイン、運営と言う面では明らかに見逃す点もあっただろう。その弱点を補完してくれたのが「データへの関心」ではないか。もちろん、ジンガがそうだったように、数字だけを見てゲームを作成しアップデートしたと言う話ではない。(その方向が正しいことなのかはさておき、実際そんなことができる専門家の数はゲーム業界全体でも決して多くない。)

例えばKontagentなどの専門的な分析ツールを積極的に導入した。 Kontagentはソーシャルゲームを中心にユーザーのログを解析するツールだが、スタートアップにはかなり負担のかかる価格で設定されている。韓国のゲームスタートアップの中で、このツールを最も早く導入した会社の一つがSUNDAYTOZだったと覚えている。フェイスブックからサイワールドへ、サイワールドからモバイルへ。SUNDAYTOZが常に最も良いタイミングで変化を遂げられた背景には、企業の意思決定の際に数字、指標を用いた雰囲気が作用しただろう。ほとんどのゲームスタートアップが良いゲームを作ることに全力を尽くしているからこそ、むしろ見落としがちな部分でもある。

それでは「アニパン」は盗作なのか?誰でも作れたのだろうか?

「アニパン」の場合、ゲームのルールは「Bejeweled」でよく知られているmatch 3方式であり、動物キャラクターを使用したと言う点では「Zoo Keeper」の影響を否定することはできない。それなら「アニパン」は盗作なのか。そう簡単に言える問題ではないようだ。「アングリーバード」は「Crush the Castle」のゲームルールを活用しているから価値のないゲームなのか。「カートライダー」は「マリオカート」からモチーフを得たから、ただ我流にとどまっているのか。私はそうではないと思う。(実際にはあまりにも複雑な問題だが。)

あくまで個人的な見解だが、どんなゲームプロジェクトを評価する際にゲーム性(gameplay)の斬新さ、精巧さがすべてではないと思う。特にオンラインゲームの場合、サービスとネットワークの安定化と言う大きな問題がある。SUNDAYTOZは多くの困難を経験したが、スタートアップのエンジニア数人が、数百万人が同時に楽しむゲームをサービスすることに成功したのだ。

モバイル・ソーシャルゲームの場合、いくつかのプラットフォームやデバイスにどの時点でゲームをサービスできるかも成否を左右する。SUNDAYTOZは韓国のソーシャルゲーム市場の黎明期から、複数のプラットフォームで有意味な実績を出して来た。また、それをベースにしてカカオゲームの最初のラインナップに自社のゲームを盛り込んだ。「ルール・ザ・スカイ」をはじめとする大作ソーシャルゲームがヒットしている状況で、「アニパン」と言うシンプルな(そう見える)ゲームを会社の代表作として再びサービスすると決断を下すのは決して容易でなかっただろう。正直に言うと、私なら、「アクアストーリー」のゲーム性を強化してリメイクする方法を選択したのかもしれない。

SUNDAYTOZはソーシャルゲームと言う分野でバイラルループに対する確信があったし、それを最もよく生かすゲームを適切な時点で最適のパートナーと共にサービスした。あくまでも推測だが、カカオゲームのプラットフォーム企画と開発もSUNDAYTOZによりフィードバックされた可能性が高い。最近、「ルール・ザ・スカイ」、「タイニーファーム」、「ダービーデイズ」などのゲームだけがSNGジャンル・ソーシャルネットワークゲームに分類されているが、これは間違っていると思う。カカオと言うソーシャルプラットフォーム上でサービスされるゲームは基本的にソーシャルゲームであり、即ちソーシャルネットワークゲームなのである。

したがって「アニパン」もソーシャルゲームであり、最初からユーザーが友達の一緒に楽しむことを前提に設計されたゲームである。このような「ソーシャルフィーチャー」の割合を考えると、「アニパン」が単に既存ゲームに倣って簡単に成功したと言う視点に同意するのは難しい。実際に「アニパン」以降、いくつかの「パン」類のゲームが注目を集め始めており、その中で最もヒットしたゲームがカカオの大株主でもあるウィメイドの孫会社リンクトゥモローが開発した「キャンディパン」と言う点は注目すべきところだ。同じパンゲームを作っても、プラットフォームとの関係が成否に影響を与え始めたのだ。(プラットフォームベンダーの大株主が既存のヒットゲームと同じジャンルの類似タイトルを付けて新作を発売することがむしろもっと敏感なイシューではないかと思ったりする。)

SUNDAYTOZの未来、One Hit Wonderを越えて

カカオゲームプラットフォームがそうであるように、SUNDAYTOZもこれからすべきことが多い。まず確保したブランド認知度とユーザのプールを積極的に活用し、続編・連作・拡張コンテンツなどで成功を続けていかなければならないと言う負担がある。次回作は[パン]ではなく「アニマル」キャラクターを活用したものだと言う。(SUNDAYTOZの前作、アニ四川省も動物キャラクターを活用した。)ROVIOの場合のように、キャラクタービジネスの可能性も積極的に打診してみることができよう。ハート(「アニパン」内のゲームマネー)を活用して、他のゲームをクロスプロモーションすることもできる。この場合、SUNDAYTOZがパブリッシャーとして生まれ変わることも可能である。モバイル・ソーシャルゲームの領域はジンガとフェイスブックがそうであるように、プラットフォーム側の政策が重要な課題とされている。カカオも、自社のプラットフォームの発展のために積極的な姿勢を示してほしい。そしてしばらくは韓国市場に集中するしかないだろうが、海外市場でも積極的に進出することを願う。特にカカオトークとラインなど、韓国産プラットフォームが世界各国に普及している状況で、モバイル・ソーシャルゲーム領域でもオンラインゲームの「クロスファイア」のような海外ビッグヒットの可能性はまだ開いている。

最近SUNDAYTOZは、SKコムズでサイワールドのソーシャルゲームプラットフォームの運営を主導したキ厶・ヨンウル部長を招き入れた。キ厶・ヨンウル部長は、韓国のソーシャルゲーム産業の基盤を掘り起こした人といっても過言ではない専門家。当時ネイトアプリストアでフィーバースタジオ、リニワークス、ノックノックなど、現在注目されているほとんどのソーシャルゲーム開発会社を見つけることができた。これからSUNDAYTOZが、より積極的な事業開発と戦略的な歩みを見せると言う予告と垣間見ることができる。

SUNDAYTOZだけではない。やはりカカオゲームのは良い成果を出している「アイ·ラブ·コーヒー」のパーティースタジオ、「ドラゴンフライト」のネクストフロアもプラットフォームでの初期実績をベースに、「ワンヒットワンダー」ではなく「マルチヒットワンダー」を実現してほしい。

その過程で生まれる物がまさに本物の「プラットフォーム」であり、ゲームスタートアップの 「生態系」ではないだろうか。

「未来はすでに私たちのそばにいる。」

Posted by 알 수 없는 사용자
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